売れる価格 / 売れない価格

ECサイト運営術, ノウハウ, マーケティング

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「売れる価格 / 売れない価格」
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980円、1980円…

これらは
リアルでもECサイトでも
良く見かける”価格”です。

昔から馴染みのある
価格帯なのですが、
数字だけ見るとキリが悪くて
気持ち悪いですよね?(笑)

でもこのキリの悪さには
心理的な効果を引き出す力があって、
思わず安く感じさせてしまうのです。

ちょっと比較してみましょう。


【ケースA】

1,000円
 ↓
980円

【ケースB】

2,000円
 ↓
1,980円



今は「比較してやるぞ!」
という意識が働いているので
冷めた感情が生まれますが
(どうせ20円安だろ!的な・笑)

どうにか頭をクリアにして
下段の価格を眺めてみると
確かにお得な感じがしますよね?

特に【ケースA】のように
桁が1つ減るインパクトは
心理的に見過ごせない
効果があると感じます。

ちなみに、
このキリの悪い価格は
【大台割れの価格効果】
と言われています。

“価格を大台に乗せない”
という意味からなのですが、
意外とこの心理効果は
奥が深かったりします。

どういうことか?
ちょっと数字を変えて
みればその奥深さが分かりますよ。

そもそもこの大台割れの価格、
元の話は単なる20円引きでした。

だったら
「8」以外の端数を入れても
同じお得感が得られんじゃね?
と言うことになるはずです。

論より証拠。
早速試してみましょう。

950円
 ↓
930円

あれ?なんか
気持ち悪いだけですね(笑)

そうなんです。
基準となる価格の数字がキリが悪いと
人はお得感を感じないものなのです。
(この例の場合、基準は50円)

つまり…

「元がゼロ並びの
美しい数字の場合に限り」

人は値崩れ感を感じる
というワケですね。
うん。面白い。

こういう心理効果の本質は
「無意識下に働きかける所」
にあります。

つまりあらゆる場所に
普段から張り巡らせておくことで、
不特定多数の無意識下に訴える。

すると密かにコンバージョンを
下支えしてくれる武器になるので
うまく活用していきましょう。

ただし
「大台割れの価格効果」が
通用しない場面もあります。

それは…
「○○円均一」の場合です。

実は「○○円均一」は
私のサイトでも大人気。

お客様との親交を深めたい
タイミングに発動させる人気の
奉仕企画として位置付けています。

ところが…
あまりに人気がありすぎるため

「毎回同じ均一価格では
急激に飽きられてしまう!」

という危惧すら覚える事態に…

そこで延命措置として
均一価格を変えてみる
テストをしてみたのです。

980円均一に始まり…
ゾロ目で攻めた
777円均一やら…

それとは逆に、
3つの価格帯から
選べる3種の均一やら…

今回のテーマから行けば
980円均一が圧勝!
と思うのが普通ですよね?

でも結局…
均一価格はゼロ並びの
キリ良い1,000円均一が
別次元に圧勝したのです!

もしかしたら
均一価格においては
キリが良くないと、
「端数が積み重なっていく」
嫌悪感が出るのかもしれません。

つまり商売における超鉄板の
「大台割れの価格効果」も
状況によって万能では無い、
という結論になります。

というワケで
価格を決める時は、
顧客心理や場面に応じて
柔軟に使い分けましょう。

なお、
適正な価格は商品の
位置付けによっても
大きく変わってきます。

今回ご紹介のケースは
「私のサイトの場合」
の結果でしたので、
ぜひあなたのサイトでも
色々とテストしてみてください(^^)

他のノウハウもどうぞ→  悪魔の接客術

新山尚輝(にいやまなおき)

1976年生まれ。ECサイト運営歴16年の現役ECマーケッター/セールスコピーライター。
さまざまな運営トラブルに見舞われ限界まで心身のダメージを負うも、セールスコピーライティングとコミュニケーションライティングを融合した独自のメールマーケティングメソッドで売上を3.2倍に成長。
関係性構築をビジネスの最重要ポイントに掲げ、会員制ECサイトの売上アップにコミットするノウハウを提供中です。
1児の父。ECサイト大好き。音楽大好き。Apple大好き。詳しいプロフィールは→コチラ

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