なぜ非対面は接客が冷たいのか?
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「なぜ非対面は冷たい接客なのか?」
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実店舗を持った企業でも無い限り、
ECサイトは基本的にお客様とは
「非対面」のビジネスとなります。
対面のコミュニケーションが
極端に少ない業態なので、
顧客対応が簡潔化されるのが
ECサイトの特徴だったりします。
ただ、ここに落とし穴があります。
お客様の顔が見えない事が日常になると、
ついつい機械的・事務的な対応が
極まってしまうのです。
いや、これはやむを得ない所はあります。
「お客様」と言っても顔を合わせませんし、
コミュニケーションは「文字」だけですし、
ごくたま〜に電話をもらって、
「あ、このお客様はホントに実在したんだ」
という変な感慨を持ってしまうぐらいです。
まぁ、裏を返せば、
お客様も同じ事を感じているのでしょうが…
そうして顔の見えない取引が日常になると、
やはり「何か実在しないモノ」と
やり取りをしている気分にもなってきます。
すると次第に機械的・事務的な
接客をするECサイトが
出来上がってくるのです…
私自身、この問題点を自覚してから
飛躍的に成果を出せるようになりました。
つまり、「人間味」や「気遣い」って
非対面でこそ逆に重要になってくるのですね。
では一体、
「人間味」や「気遣い」って
どんな事だろう?
こんな風に感じる方のために
一つの事例を紹介するならば、
こんな事も気遣いの接客だったりします。
たとえば私は日々、
ご注文されたお客様の情報の
ほとんどに目を通します。
もちろん売れ筋の商品を
見極めるためもありますし、
キャンペーンの反応を
見る目的も兼ねています。
しかし、これをする
最も大きなメリットは
お客様の事が次第に
記憶されていく事です。
「お客様Aは2週間ごとに注文するのだな」
とか、
「お客様Bは19時台の注文が多いのだな」
などの傾向が自然に読み取れます。
もっと言えば、
「お客様Cは月曜日はPCで注文するが、
それ以外の曜日はスマホで注文しているな」
とか、
「お客様Dはカード決済のみしか使わないな」
とかまで情報が蓄積されていきます。
この領域までいくと何かと便利です。
何故ならお客様が
普段と違う行動をした時に
違和感を感じる事ができるからです。
事実、こんな事がありました。
普段はカート決済ばかりのお客様が
今回に限っては「銀行振込」を指定。
もちろん事情があってのことかもしれません。
しかし、私の場合
こんなシグナルを見つけた場合は
念の為お客様へコンタクトを取ります。
「いつもカード決済をご利用ですが、今回は振込をご選択頂いております。
お間違えではございませんか?」
こんな感じに。
カード決済に慣れた人であれば
身に覚えがあると思いますが、
決済後は基本的に放置しますよね。
つまり決済方法を
間違えていても気が付けない
パターンが多いのです。
これはお客様にとって困ります。
だっていつもの納品周期に
商品が届かないのですから。
するとどうなると思いますか?
必要な時に使えなかった商品は不要になり、
キャンセルを喰らう確率がグンと高まります。
場合によっては、
サイト側がお叱りを受けたりもします…
正直理不尽ですよね(^^;
でも、機械的・事務的な体制でいると
こんな事は結構な確率で起こります。
確かに機械的に業務をこなせば
時短に繋がる事は認めます。
でも、この事例のように
失うモノが少なくありません。
だからこそ私は
大多数のECサイトよりも
気遣いに力を入れる体制にこだわります。
コストを視点に考えれば、
最初にコストを投資するスタイルですね。
この辺は考え方の違いによって
スタイルが大きく分かれる所でしょう。
さて、
あなたはどのスタイルを貫きますか?
人間味と気遣い?
それとも
効率と回転率?
意外と考えてもみなかった
領域かもしれませんので
これを機会にじっくりと
考えてみてはいかがでしょうか。
新山尚輝(にいやまなおき)
1976年生まれ。ECサイト運営歴16年の現役ECマーケッター/セールスコピーライター。
さまざまな運営トラブルに見舞われ限界まで心身のダメージを負うも、セールスコピーライティングとコミュニケーションライティングを融合した独自のメールマーケティングメソッドで売上を3.2倍に成長。
関係性構築をビジネスの最重要ポイントに掲げ、会員制ECサイトの売上アップにコミットするノウハウを提供中です。
1児の父。ECサイト大好き。音楽大好き。Apple大好き。詳しいプロフィールは→コチラ